「移民と亡命に関するEUの新しい協定」とは?

筆者: Ilaria Canali
翻訳者: 林 怜奈
編集者: 武輪 穂乃加

「移民はこれまでも、そしてこれからも私たちの社会の一部です。 私たちが提案しているのは、ヨーロッパの価値観を実際の運営に導入できる長期的な移民ポリシーの構築です。 この一連の提案は、明確で公正かつ迅速な国境手続きを意味するため、長らく待つ必要もなくなります。 それは、迅速な返還、より多くの法的経路の確保、密入国に対する強力な行動のための第三国との協力の強化を意味します。 基本的に、それは庇護を求める権利を保護します。」

と、EUの内務省長官、イルヴァ・ヨハンソンは述べました [1]

欧州連合は、27の加盟国で構成される超国家的な組織です。第二次世界大戦後に別の紛争を回避するために生まれたEUは、人、物、サービス、資本の移動を治める4つの基本的な自由に基づいています。それにより、すべての州がそれぞれ義務付け、適応しなければならない人権に関する共通の規則と合意が定められました。

これは移民の場合でもありますが、ごく一部です。 EUはその短い歴史の中で、国境内での不法移民を規制することを目的としたいくつかの文書を作成し、庇護希望者の権利を保護するための法的枠組みを確立しようとしました。しかし、これまでのところ、加盟国に移民の緊急事態に対処する完全な自由を与えています。EUにおいて、一般的な難民受け入れのアプローチはありません。 庇護希望者の受け入れと対応に関しては、各加盟国には独自の国内規制がありますが、現在の状況に対処できるかどうかはまだ疑問です。

このシステム、またはその欠如は、最初の移民の流れがいくつかの隣接州に圧力をかけ始めた、世紀の初めからすでに批判を受けていました。それでも、人々の欧州連合への大規模な移動の中心に地中海とバルカン地域がみられていた、2014年の移民危機以来、圧力は悪化しています。

したがって、この耐え難い状況に対応して、2020年に欧州連合は移民と庇護に関する新協定を提案しました。欧州委員会によると、この新しい協定は、特に庇護希望者の危機的状況へのヨーロッパのアプローチ、および一般的にEUの国境内での移住への道を開くでしょう。

協定は、公正な共有責任と原則間の一定のバランスを常に維持しながら、手続きを改善し、はやめると主張されています。新しい協定は、EUとその加盟国がこれまでに直面した問題のほとんど、すなわち、加盟国間の信頼の(再)構築と、常により差し迫っている移民状況を管理する能力を解決することが期待されています。

新しい革新的な解決案を設定する必要があります。 しかし、新協定は最終的にEUの調整と官僚的な問題を解決することができるのでしょうか。

この記事は2つのパートに分かれています。最初の部分では、新しい協定の要点を簡単に紹介します。 第2部では、欧州法の学者や専門家からのいくつかの批判的な発言を考慮に入れて、批判的な観点から新協定を検討します。

それでは、新しい移民と庇護協定の4つの柱を見ていきましょう。

最初の柱であり、最も有名な柱は、より効率的で迅速な手順で構成されています。 具体的には、許可または救助活動なく、EUに入国するすべての人々の入国前スクリーニングを含む、より統合された国境手続きを導入する計画です。これまで、彼らが庇護を申請する国は、ほとんど全手続きの最初の部分を担当し、最終的に他のEU諸国に再定住します。スクリーニングには、ヘルスチェックとセキュリティチェック、指紋認証、およびEurodacデータベースへの登録も含まれます。庇護またはその他の形式の国際保護取得に関わらず、これらの全ステップをふんだ後にのみ、、初めてきちんとした手続きに進めます。

過去 7 年間、ほとんど欠けていた 2 番目の柱は、責任の公正な共有と連帯で構成されています。

この声明は、人道的義務を果たすため、すべての加盟国が亡命希望者の要請の数を共有し、彼らの能力に応じて適切な数の亡命希望者/難民を受け入れることを要求します。

ただし、この文書には「加盟国のさまざまな状況と変動する移民圧力に関して委員会は、柔軟に貢献できるシステムを加盟国が提案する」とも述べられています。

これは、難民や亡命希望者を受け入れるための十分な条件を持っていないと主張している州が、最初の入国からそれらの人々を再配置することを提案すること、または他の形式の運用サポートによって、それらの人々を最初に入国した国から移転することを選択できることを意味します。

3 番目の柱は、非 EU 諸国との協力を扱うため、一部の加盟国、および EU 全体にとって比較的物議を醸すトピックを扱っています。移民が EU 国境に入らないようにするために EU がトルコと結んだ協定をご存知でしょうか [2]。 この協定は、より多くの人々が EU の国境を越えることを避けることで、短期的には EU にとって有益でしたが、トルコがより適切であると判断した場合はいつでも、EU の費用の裏目に出ました。実際、EU が外国または国内の政治におけるトルコの行動を批判したり、エルドアン政府に経済制裁を課すと脅したりするときはいつでも、トルコ政府の対応は、EU がその政治的議題を妨害し続ける場合に備えて国境を開くことです[3]

それにも関わらず、非EU諸国とのより良い協力を実現することは、移民の密輸などの問題に対処し、効果的な再入国協定の実施のため、法的経路を開発する上で、相互に有益であると考えられています。

最後の柱は、すべての国が採用する共通の EU システムを後押しするように設定されています。これは、帰還の枠組みを加盟国や自国の規制に任せることなく、EU の移民規則の信頼性を高めることを目的としています。新しいシステムは、より法的枠組みを開発し、欧州国境警備機関の役割を強化することを目的としています。新しい EU リターン コーディネーターが任命され、各国代表者のネットワークと協力することになります。この新しい役割はまた、EU の政策と国の政策が整合していることを保証します。これは、加盟国を移民への共通のアプローチにさらに統合するための重要なポイントです。

これらは、計画において取り組まれる主要なポイントです。EU とその移民政策に精通している人にとっては、2014 年からの移民危機で悪化した21 世紀の初めから EU が日常的に直面してきた主な問題び取り組んでいるため、驚くことではないかもしれません。これにより、やっとEU は移民問題に対してよりスムーズで公平で平等に共有された解決策を実施するように思われるかもしれません。 しかし、本当にそうなのでしょうか。

この記事の第 2 部では、欧州法と移民問題の専門家によって表明された、新協定に対する批判を探ります。

* この記事は、移住と亡命に関する新協定の内容を簡単に要約したものです。
** EU とトルコの取引について詳しく知るには:EU とトルコの取引
*** 詳細: エルドアン大統領は、欧州議会の投票後に国境を開放すると脅している

画像:Daniel Schludi  提供】

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